自重スクワットの正しいフォームとは?鍛える場所によってフォームを変える必要があります

スクワット、デッドリフト、ベンチプレスは「筋トレのビッグ3」と言われています。その中でもスクワットは運動が苦手な人でも知っているほど有名なトレーニング方法です。

しかし、有名すぎるがゆえにスクワットにはかなりの種類があり、混乱してしまうこともあると思います。間違った方法で行ってしまうと腰や膝に負担がかかり、怪我の原因となることもあります。

今回は自重スクワットの正しいフォームやその種類について紹介していきます。

 

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スクワットで鍛えることができる筋肉

スクワットは下半身を全体的に鍛えることができるとされていますが、その中でもトレーニング効果が高い部位が2つあります。

大腿四頭筋

スクワットで1番鍛えられると言われているのがふとももの前面にある大腿四頭筋です。大腿四頭筋は大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋の4つから構成されています。この筋肉は膝を伸ばす作用があり、歩くときの衝撃吸収や階段の昇り降り、ジャンプの時などに働いています。

 

大殿筋

お尻にある大きな筋肉である大殿筋。名前の通り、お尻の中で最大の筋肉です。股関節を後ろに伸ばす作用があり、立ち座りや歩行、階段の昇り降りなどの多伎に渡って働くとされています。筋力が弱いとたるんだお尻になってしまいますが、鍛えていくことでシェイプアップすることが可能です。

 

モーメントとモーメントアーム

スクワットには多くの種類があります。同じスクワットでもフォームによって鍛えることができる筋肉に違いが出てきますが、この違いを理解する上で知っておきたいキーワードが「モーメント」と「モーメントアーム」です。

いきなりスクワットに当てはめて考えようとすると難しいので、まずは身近な例を図で説明していきます。少し長くなるので知っている人はスクワットに当てはめて考えていくところから読んでください。

1番分かりやすいのは子供のころによく遊んだシーソーです。図のように同じ体重の人が端に立っている状態ではシーソーはどちらに傾くこともなく平行を保った状態となります。

この状態から右側の人の立つ位置が少し真ん中に変わったらシーソーはどちらに傾くでしょうか?

簡単に想像できると思いますがシーソーは左側に傾いていきます。ここから分かるように同じ体重でも立つ場所が変化することで力の加わり方が変わってくるのです。

 

次は体重が変わった場合を考えてみます。右側の人が体重の軽い人に変わったらシーソーはどちらに傾くでしょうか?

これも簡単に想像できると思いますがシーソーは左側に傾いていきます。ここから分かるように立つ場所が同じでも体重が変化することで力の加わり方が変わってくるのです。

 

生体力学ではシーソーが傾こうとする力(回転力)のことを「モーメント」と言い、シーソーの真ん中の支点から立っている場所までの距離のことを「モーメントアーム」と言います。「モーメント」は「トルク」と言われることもあります。

例で説明したように、「モーメント」は「モーメントアーム(距離)」と力の強さ(シーソーの場合は体重)によって左右され、以下のような式が成り立ちます。

モーメント=モーメントアーム×力の強さ

 

では、実際に筋トレに当てはめて考えてみましょう。

まずはアームカールで考えていきます。まだスクワットにいかないのかと思うかもしれませんが、スクワットは多くの関節が動いているので難しいんです。難しい分だけ、多くのバリエーションがあるのかもしれません。

アームカールでは曲げたり伸ばしたりする場所である肘を支点、ダンベルの重さを力の強さ、支点からダンベルまでの距離をモーメントアームとします。

このように筋トレに当てはめる場合は関節が動く場所を支点とします。

 

では、ここまでの知識を活かしてスクワットについて考えていきましょう。

さきほど説明したように、スクワットでは大腿四頭筋と大殿筋を鍛えることができます。つまり、関節でいうと股関節と膝関節になります。そのため、股関節と膝関節を別々に考えていかなければいけません。また、スクワットの場合、力の強さは体重の重さになります。

股関節、膝関節のモーメントを別々に考えていくと図のようになります。このように動いている関節が多いほど複雑になっていくのです。

 

自重スクワットのフォーム

スクワットでは大腿四頭筋、大殿筋の両方を鍛えることができますが、フォームによって鍛えられる割合が変わってきます。目的別に合わせたフォームを紹介していきます。

大腿四頭筋、大殿筋を均等に鍛えたい場合

大腿四頭筋、大殿筋を均等に鍛えたい場合は図のようなフォームが好ましいです。力の強さに関しては膝・股関節ともに体重の重さなので一定であり、モーメントアームも膝・股関節ともに同じとなっています。モーメント=モーメントアーム×力の強さなので、膝関節にかかるモーメント=股関節にかかるモーメントとなるのです。

つまり、力の強さの矢印から膝関節までの距離と股関節までの距離を同じにすれば大腿四頭筋、大殿筋を均等に鍛えることができるということです。目安としては体幹と膝から下を平行にするように意識すると良いと思います。この時、腰は反りすぎないようにしてください。これはどんなスクワットでもそうですが、腰を反ってしまうと腰痛の原因になることがあるので注意が必要です。

このフォームはスクワットの中でも一般的なものでノーマルスクワットと言われます。下半身全体を鍛えたい人におすすめです。特にこれから筋トレを始めようと思っている人に向いていると思います。また、女性でもとっかかりやすい種目のため、筋トレを始めるきっかけになれば良いと思います。

 

大腿四頭筋を鍛えたい場合

大腿四頭筋を鍛えたい場合は図のようなフォームが好ましいです。力の強さに関しては膝・股関節ともに体重なので一定ですが、モーメントアームは膝関節の方が大きくなっています。モーメント=モーメントアーム×力の強さなので、膝関節にかかるモーメント>股関節にかかるモーメントとなるのです。

つまり、股関節よりも膝関節に強い力が必要となる姿勢ということです。その分、股関節のトレーニング効果は少なくなるので、大腿四頭筋だけを鍛えたい時におすすめです。

大腿四頭筋を鍛えるスクワットの中でも極端な例がシシ―スクワットです。このフォームでは膝にかかるモーメントアームがかなり大きくなっているのが分かりますよね。この方法では膝にかなりの負担がかかるので、膝を痛めてしまう可能性があります。大腿四頭筋を鍛えるには良いフォームですが、痛みが出るようならすぐ中止するべきです。

試しにやってみたことがありますが、負荷が強いうえにやはり膝に痛みが出てきたためすぐにやめました。そのため、個人的にはあまりおすすめできません。トレーニング経験者で足の筋力に自信があって膝に痛みが出ることなくできる人には向いています。

 

大殿筋を鍛えたい場合

大殿筋を鍛えたい場合は図のようなフォームが好ましいです。力の強さに関しては膝・股関節ともに体重の重さなので一定ですが、モーメントアームは股関節の方が大きくなっています。モーメント=モーメントアーム×力の強さなので、股関節にかかるモーメント>膝関節にかかるモーメントとなるのです。

つまり、膝関節よりも股関節に強い力が必要となる姿勢ということです。その分、膝関節のトレーニング効果は少なくなるので、大殿筋だけを鍛えてお尻をシェイプアップしたい時におすすめです。

また、このフォームでは股関節だけでなく腰にも負担がかかる姿勢になります。そのため、腰痛持ちの人はあまりおすすめできません。痛みがない範囲で行うのが好ましいです。

 

まとめ

正しいスクワットのフォームを考える上で必要となる知識である「モーメント」について説明しました。この知識があれば姿勢によって関節にどれくらいの負荷がかかるのかをある程度予想することができるため、怪我をする可能性が低くなります。それだけではなく目的に合わせたトレーニングを行うことができるため一石二鳥です。普段のトレーニングに活かしてみてください。

個人的にはよっぽど足の筋力に自信がある人以外はノーマルスクワットが良いと思っています。ダイエットや筋肥大させるためであっても怪我をしてしまっては意味がありません。スクワットは痛みがない範囲で行うようにしましょう。

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